早期胃癌ESD患者では後出血率が4.1%–8.5%とされています。BEST-J scoreは同患者の後出血リスク層別化のためのリスクスコアリングシステムです。BEST-J scoreでは抗凝固薬(ワルファリン、DOAC)を4 点、血液透析を3点、P2Y12受容体拮抗薬(チエノピリジン)・アスピリンをそれぞれ2点、シロスタゾール・多発病変・病変部位(胃下部)・病変径>30mmをそれぞれ1点、抗血栓薬休薬を1種類ごとに–1点としており、0–1点を低リスク(後出血率2.8%)、2点を中リスク(同6.1%)、3–4点を高リスク(同11.4%)、≧5点を超高リスク(同29.7%)と定義しています。
注1. 抗血小板薬を別の抗血小板薬に置換した場合は、元々服用していた抗血小板薬の「服用していたが休薬中」を選択し、変更後の抗血小板薬では「服薬なし」を選択してください(例:P2Y12受容体拮抗薬服用患者でアスピリン置換->P2Y12受容体拮抗薬の「服用していたが休薬中」を選択し、アスピリンは「服薬なし」を選択)。
注2. 抗血栓薬服用中でヘパリン置換を行った際には、その抗血栓薬の「服用していたが休薬中」を選択してください(例:ワルファリン服用患者でヘパリン置換->ワルファリンの「服用していたが休薬中」を選択)。
注3. 抗血栓薬の術前休薬日は、抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン(Gastroenterol Endosc. 2012; 54: 2075-2102)(アスピリン:3-5日、P2Y12受容体拮抗薬(チエノピリジン):5-7日、シロスタゾール:1日、ワルファリン:3-5日、DOAC:1-2日)に従っています。
詳細については、関連する論文、学会発表等をご参照ください。
Gut. 2020 [Epub ahead of print]
A prediction model of bleeding after endoscopic submucosal dissection for early gastric cancer: BEST-J score.
Hatta W, Tsuji Y, Yoshio T, Kakushima N, Hoteya S, Doyama H, Nagami Y, Hikichi T, Kobayashi M, Morita Y, Sumiyoshi T, Iguchi M, Tomida H, Inoue T, Koike T, Mikami T, Hasatani K, Nishikawa J, Matsumura T, Nebiki H, Nakamatsu D, Ohnita K, Suzuki H, Ueyama H, Hayashi Y, Sugimoto M, Yamaguchi S, Michida T, Yada T, Asahina Y, Narasaka T, Kuribayashi S, Kiyotoki S, Mabe K, Nakamura T, Nakaya N, Fujishiro M, Masamune A.
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※本アプリは教育/研究用のものであり、現実の医療に責任を負うものではありません。治療方針の決定は専門医の判断に従ってください。
[開発元]
2020 東北大学病院消化器内科・大腸グループ
2020 Kenichi Negoro, MD, PhD
2020 Yoichi Kakuta, MD, PhD
2020 Waku Hatta, MD, PhD (Consultant)
2020 Xiaoyi Jin, MD, PhD (Translation)
http://www.gastroente.med.tohoku.ac.jp/
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